● 2007年チャンピオンマシンの正常進化形
● ジュネーブ モーターショーにて初公開
チャンピオンシップ勝者のマシンをさらにレベルアップする。アウディスポーツの技術陣は、新型アウディA4 DTMレース車両の開発において、この難題と立ち向かうことになりました。ニューマシンのルックスを見るかぎり、技術陣は課題の克服に成功したと言うべきでしょう。ジュネーブモーターショーで世界初公開される新型A4 DTMは、マティアスエクストロームとともに2007年DTMタイトルを獲得した先代モデルを上回るダイナミズムを見せています。
第4世代に進化したアウディA4 DTMは、アウディスポーツ内では“R14”のコードネームで知られており、外観だけでなく、技術面でも未来志向のマシンに仕上げられています。最先端の計算流体力学(CFD)に基づいて、マシン周辺のエアフローに細心の注意が向けられました。「昨年、R13で始めたことがようやく完成の域に達しました」と、アウディモータースポーツ部門を率いるDr.ヴォルフガングウルリッヒは述べています。「レギュレーションの枠組の中で、もっとも論理的なアプローチで空力特性を最適化することができた、と確信しています。」
R14プロジェクトは、2007年3月にスタートしました。さまざまな部分で旧型と異なる2008年型マシンは、インゴルシュタットとネッカーズルムで製作されました。「非常に厳格なDTMレギュレーションの下では、クワトロ、FSI、あるいはTDIに匹敵する革命的技術の開発は不可能です」とコメントするのは、アウディスポーツ テクノロジーの責任者、Dr.マルティンミュルマイヤー博士。「レギュレーションで認められたテクノロジーをいかに論理的に解釈し、これを実践するかが、DTM技術開発のカギとなります。」
新型アウディA4 DTMの開発では、車両の低重心化をさらに進めるとともに乾燥重量を削減させることにより、特定のサーキットや重量配分に合わせたセットアップができるよう柔軟性を持たせることに成功しています。
技術陣は、アウディA4 DTMに搭載されていた460psに迫る4リッターV8エンジンのポテンシャルをさらに引き上げています。内部摩擦をより低下させることによって、出力およびトルクカーブの面でメリットが得られました。
ニューマシンの基本哲学は、先代モデルと同様レギュレーションに基づき、その精神を反映しています。アウディA4 DTMは、新型アウディA4のシルエットを持つサラブレッドレースカーです。シャーシには、ハイブリッドコンセプトが採用されています。その骨格をなすスチールチューブは、いわゆるエアロスペーススペック(航空宇宙業界で標準的に使用される製品)であり、総延長はほぼ31メートルに達します。ドライバーが着座するカーボンファイバー製セーフティセルは、フォーミュラワンマシンのモノコックと酷似しています。スチールチューブとカーボンセルを組み合わせることにより、最高レベルのねじれ剛性と安全性が確保されています。
さまざまな空力パーツが付加されているにも関わらず、カーボンファイバーコンポジット製ボディワークのシルエットはひと目見た瞬間、アウディA4とわかります。シングルフレームグリルや白色LEDによるデイタイムロービームライトなどのディテールが、市販バージョンと同様、個性的なフロントマスクをいっそう際立たせています。
新型アウディA4 DTMは、2007年シーズン終了直後に初テストに臨みました。R14プロトタイプ第1号車は、クリスマス直前にポールリカール(フランス)でシェイクダウンされました。新たな戦いの火蓋が切って落とされるまでに、新型A4 DTMは耐久テストを含め数千kmに及ぶテスト走行を完了します。
「市販バージョンの新型A4は、デビューからまだ日は浅いもののすでに多くの国際的な賞に輝いています。私たちは、DTMにおいてもA4が受賞に値するクルマであることを証明しようと決意を新たにしています。新型アウディA4は、DTMマシンのベースとしても優れていると確信しています」とDr.ウルリッヒは述べています。
ディフェンディングチャンピオンのエクストロームはワールドプレミアに出席し、チーム首脳陣とともに新型車発表の大役を務めます。今季の展望については敢えて多くを語らず、「外観のイメージどおり速かったら嬉しいですね」とコメントしています。
3月10~12日には、ムジェロ(イタリア)でDTM公式テストが予定されており、新型アウディA4 DTMもこれに参加、初めてライバルと同じサーキットで走行します。