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2015/10/28Company

Audi R8 V10 plus —Tokyo Motor Show 2015/参考出展車—

  • 100km/h 加速 3.2 秒、最高速 330km/h
  • 5.2 ℓV10 エンジンは最高出力 449kW(610PS)、最大トルク 560Nm を発揮

  • 進化した ASF テクノロジー:アルミと CFRP を組み合わせた複合構造の軽量ボティ

新型 Audi R8 は、市販向けのアウディとしては史上もっともパワフルで、もっとも速く、もっとも運動 性能に優れたモデルです。今回、2006 年に発表された初代(従来型)以来、9 年ぶりのモデルチェンジ を行いましたが、初代の技術的特徴であったミドシップのレイアウト、ASF(アウディスペースフレーム) のテクノロジーによる超軽量ボディ、高回転型の自然吸気 V10 FSI エンジン、quattro フルタイム 4 輪 駆動システムなどは引き継ぎつつ、すべての点で大胆なレベルアップを果たしています。

AFS によるボディは、従来からのアルミに加えて、乗員セルの主要部分に軽くて衝撃吸収性に優れた CFRP(カーボン繊維強化樹脂)を用いることでマルチマテリアル構造として、重量をさらに軽減しかつ ボディ剛性を高めました。リヤ ミドシップの位置に搭載された 5.2ℓ の V10 エンジンは、より高回転で のトルクを向上させるチューニングに加え、従来からの気筒内直接噴射(FSI)に吸気ポート内噴射(MPI) を組み合わせた「ディアルインジェクション」などの新機構を採用することで、従来型に対して出力性 能、燃費効率の両方を改善しています。

アウディは今回の東京モーターショーに、その新型Audi R8シリーズのトップモデルであるAudi R8 V10 plus を出展します。このモデルに搭載される 5.2 FSI エンジンは、最高出力 449kW(610PS)、最大ト ルク 560Nm を発揮して、車両重量 1,454kg の新型 Audi R8 V10 plus を、静止状態から 100km/h ま でわずか 3.2 秒で加速、最高速は 330km/h に達します。巧みなエアロダイナミクス処理により大きな ダウンフォースを得ているため、そうした超高速域でも新型 Audi R8 は、安定して走ることができます。 もちろん、それに加えて、電子制御の多板油圧クラッチにより前後の駆動力配分を 0:100 から 100: 0 までアクティブにコントロールする最新の quattro フルタイム 4 輪駆動システムや、アーム類をすべ てアルミ製にした 4 輪ダブルウィッシュボーンサスペンションなどが、新型 Audi R8 の卓越した走行安 定性に貢献していることは、いうまでもありません。

新型 Audi R8 は、アウディの市販モデルのなかでも、もっともレーシングカーに近いモデルですが、Audi はこのモデルと並行して純粋な競技車両である Audi R8 LMS を開発し、すでにレースに投入しています。 もう1台、開発中の Audi R8 e-tron は、純粋な電気駆動の高性能スポーツカーであり、90.3 kWh とい う大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載して、0-100km/h 加速 3.9 秒というハイパフォーマンスと、 1 度の充電で約 450km という実用的な航続距離を両立しています。

Technical Information:詳細説明

5.2 FSI エンジン

新型 Audi R8 に搭載される 5.2ℓ V10 エンジンには 2 つの仕様が用意されています。Audi R8 V10 に搭 載される標準仕様は最高出力 397kW(540PS)、最大トルク 540Nm、そして Audi R8 V10 plus に積ま れる高性能仕様は最高出力 449kW(610PS)、最大トルク 560Nm を発揮します。いずれも、最大トル クを 6,500rpm、最高出力を 8,250rpm で発生し、最高許容回転数は 8,700rpm に設定されています。 従来型 Audi R8 の 5.2ℓ V10 エンジンと比較すると、パワーだけでなくレスポンスやサウンド、さらに 燃費効率も改善されており、ヨーロッパの測定モードでは、従来型に対して最大 13 パーセントもガソリ ン消費が減少しています。

この総排気量 5,204cc の V 型 10 気筒エンジンは、ボア 84.5×ストローク 92.8mm というロングスト ロークのレイアウトを採用しており、最高許容回転数 8,700rpm においては、ピストンスピードは 26.9m/sec.という非常な高速に達します。また、高性能バージョンはリッターあたり 117.2PS という、 このクラスの自然吸気エンジンのなかでは圧倒的なハイスペックを実現しており、結果、それを搭載し た新型 Audi R8 V10 plus は、0-100km 加速 3.2 秒、0-200km/h 加速 9.9 秒、最高速 330km/h(電 子リミッター作動)という、アウディ史上最速の性能データを実現しています。397kW(540PS)エン ジンを搭載した新型 Audi R8 V10 の 0-100km/h 加速タイムは 3.5 秒、最高速は 320km/h です。

新型 Audi R8 の V10 エンジンは非常にコンパクトな設計で、さらにドライサンプを採用することで搭載 位置をぎりぎりまで下げることに成功しています。エンジンの搭載位置は、車両の重心点に非常に近く、 そのため、慣性力による姿勢変化への影響がほとんどありません。前後アクスルの重量配分も、42:58 と理想的な値を得ています。

ドライサンプのシステムには、走行状況に応じて作動レベルを変えられる特別なオイルポンプを採用し ており、高速コーナリングで約 1.5G の強烈な遠心力を受けた場合でも、潤滑油の循環を正常に保つこと ができます。また、クランクケースに特殊な工法を用いた鋳造アルミ合金、ピストンに鍛造アルミ合金、 クランクシャフトとコンロッドに鍛造スチールを採用して、それぞれ高い強度を確保しつつ、重量を最 小化しています。

カムシャフトはそれぞれのバンクに 2 本ずつの合計 4 本備わり、その駆動はチェインによって行っています。カムシャフトはエンジンの運転状況に応じて最大 42 度、クランクアングルが調整できるようになっており、それにより、合計 40 の吸排気バルブの開閉タイミングがフレクシブルに制御されるようにな っています。排気バルブには、冷却のためのソディウムが封入されています。

従来型と比べると圧縮比が 12.5:1 から 12.7:1 に引き上げられており、同時に吸気系の設定とバルブ タイミングを変更することで、高回転域でシリンダーの充填効率が上がるようなチューニングがなされ ています。また、従来の気筒内直接噴射システム(FSI)に加えて、吸気マニフォールドでの燃料噴射(MPI) を採用して(ディアルインジェクションシステム)、低~中負荷領域でのドライバビリティと燃費を改善 しています。具体的には、低負荷領域ではガソリンの霧化に有利な MPI だけでエンジンの運転を行い、 燃焼効率を高めます。そして、中間的な負荷領域では MPI と FSI を併用し、フルスロットルの状況では 最大 200 バールの噴射圧を備えた FSI が、燃料噴射の約 85 パーセントを担うようにしています。さら に加えて、低中負荷領域で片側のシリンダーバンクの運転を停止するシリンダーオンデマンド(COD) のシステムにより、無駄な燃料消費を削減しました。同様に燃費改善のために、55km/h 以上の速度で 走行中ドライバーがアクセルオフすると、遮断クラッチによりエンジンをドライブトレインから切り離 し、クルマをコースティング(慣性走行)させる仕組みも新たに採用しています。

そうした改良や新しいテクノロジーにより、ヨーロッパの公式走行モードで新型 Audi R8 V10 は 11.4ℓ/100km(従来型は 13.1ℓ/km)、新型 Audi R8 V10 plus は 12.3ℓ/100km(従来型の V10 GT は 12.9ℓ/100km)と、従来型に対して 5~13 パーセントも燃料消費を減らしています。

7速 S トロニックと quattro フルタイム 4 輪駆動システム

新型 Audi R8 は全モデル 7 速 S トロニックを標準で搭載します。5.2 FSI エンジンの強大なパワーは、 このデュアルクラッチ オートマチックトランスミッションを介してquattroフルタイム 4 輪駆動システ ムに伝えられます。ほかのアウディモデル同様、この S トロニックは、セレクターレバーもしくはステ アリングホイールのシフトペダルを使って任意にギアシフトを行えるほか、D と S の 2 つのオートマチ ックモードを備えています。また、ボタンを押して「ローンチコントロール」機能をオンにすれば、 4,500rpm 前後のエンジン回転数を保ってクラッチの接続を行うようになり、タイヤのグリップ力を最 大限活かしたロケットスタートも可能にしてくれます。V10 エンジンの背後に搭載された 7 速 S トロニ ックのハウジングは非常にコンパクトで、エンジンの制御システムと連携したサーマルマネジメントシ ステムには、オイル-冷却液の熱交換器が採用されています。

quattro フルタイム 4 輪駆動システムも、新型 Audi R8 のために全面的に再設計されています。システ ムの中核となるのは、前輪のディファレンシャルと一体化した電子制御の油圧式多板クラッチですが、 従来型よりも前後アクスルへの駆動トルク分配がフレクシブルに行えるようになり、状況によっては一 瞬の判断により、前輪もしくは後輪に、駆動力の 100 パーセントを振り分けることもできます。一方、 リヤアクスルには純粋な機械式のリミテッド スリップ ディファレンシャルが採用されています。

油圧式多板クラッチの制御は、アウディドライブセレクトのシステムと連携しています。新型 Audi R8 に搭載されたアウディドライブセレクトには、comfort、auto、dynamic、individual の各基本モードの ほか、パフォーマンスモードとして dry、wet、snow の 3 モードが設定されています。この 3 つのパフ ォーマンスモードのどれかを選択すると、路面の状況(摩擦係数)に対応したハンドリング特性が得ら れるようになります。

シャシー

モータースポーツで培われたアウディの DNA は、シャシーの分野にも反映されています。サスペンショ ンは前後とも、アルミパーツを多用したダブルウィッシュボーン独立式が採用されており、チューニン グは、高出力エンジンを搭載した Audi R8 V10 plus のほうが、よりスポーティな設定になっています。 電子制御の可変ダンパーシステムであるマグネティックライドが用意されています。

パワーステアリングは今回から電動タイプになります。ホイールは 19 インチが標準ですが、オプション で 20 インチホイールと、フロント 245/30、リヤ 305/30 タイヤとの組み合わせも設定されています。 ブレーキは全モデル、4 輪に対フェード性能に優れた大径ベンチレーテッドディスクを採用しています。 Audi R8 V10 plus ではそのディスクに、カーボン繊維強化セラミック製を用いて、さらにポテンシャル を高めています。カーボン繊維強化セラミックのディスクはウエイトも軽く、スチール製のものと比べ て、システム全体で 15.2kg もの重量が削減されています。また、スチール製のブレーキのキャリパーが グロスブラックもしくはオプションのグロスレッドでペイントされているのに対し、セラミック製ブレ ーキは、キャリパーがダークグレーでペイントされ、そこに Audi ceramic のロゴが刻まれています。

複合材料を用いたアウディスペースフレーム

従来型に続いて新型 Audi R8 V10 plus も、ASF(アウディスペースフレーム)のテクノロジーを用いた ボディを採用しています。アルミとカーボン繊維強化樹脂(CFRP)を組み合わせた新しいマルチマテリ

アル構造を採用することで、ボディ単体の重量を、従来型のものよりさらに 10kg も減らしてちょうど 200kg に抑えることに成功しています。乗員セルの主要部分を CFRP で構成する一方で、フロントとリ ヤの構造材はすべてアルミ製にしました。ドアやリッド類を含めて、アウタースキンもすべてアルミ製 にしています。ASF ボディの 11.2 パーセントを占めるアルミ合金製シートは、主に乗員セルのフロア部 分とバルクヘッドに使われています。ボディに占めるスチールの割合は 0.6 パーセントに過ぎません。

エアロダイナミクス

エアロダイナミクス開発に際しては、レースでもっとも重視されるパラメーター、すなわち、走行中に クルマを路面に押し付けて高速旋回を容易にする「ダウンフォース」にとくに着目しました。この面で 新型 Audi R8 V10 plus は新境地を切り拓いており、最高速で走行した場合には、合計 140kg ものダウ ンフォースを発生し、そのうち 100kg はリヤアクスルに掛かります。新型 Audi R8 V10 plus の Cd 値は 0.36 と、現代の乗用車として特別な数値ではありませんが、前面投影面積が 2.01 ㎡と比較的小さいの で、330km/h の最高速が可能になっています。

エクステリアの設計では、リヤスポイラーがダウンフォースを確保する上で非常に重要な役割を果たし ています。新型 Audi R8 V10 plus では、それが固定式のウイングになっており、その形状は Audi DTM レースカーにならっています。このウイングはアンダーボディの大型ディフューザーと連携して、車体 後部の空気の乱流の発生を最小に抑えます。

一方、高速走行時に最大 40kg フロントアクスルに掛かるダウンフォースは、ステアリングフィールを 確かなものにする効果につながります。フロントアクスルの近くに、2 つの小さなディフューザーが設け られており、それによりホイールハウジングの方にエアの一部を向けてブレーキの冷却を助けています。

新型 Audi R8 のアンダーボディは、プロペラシャフトの部分を含めて、全面的に平滑なカバーで覆われ ており、リヤの部分においては、このカバーがボディ剛性を高める役割も果たしています。エンジンの 下側に設置した「NACA ノズル」と呼ばれるノズルにより、冷却用のエアを V10 エンジンと 7 速 S トロ ニックに導いています。

エクステリアデザイン

新型 Audi R8 は、アウディの市販モデルのなかでももっともレースカーに近いデザインコンセプトを持 ったクルマです。キャビンは車体のかなり前方に位置し、ホイールアーチが強調され、リヤに長く伸び たその姿は、ルマンを走るレーシングモデル、Audi R18 e-tron quattro を彷彿とさせます。全長 (4,426mm)、全高(1,240mm)、ホイールーベース(2,650mm)と、初代モデル(従来型)とほぼ 同等のサイズを引き継ぎつつ、全幅は 40mm 大きくなって 1,940mm になりました。また、立体感が 演出されたシングルフレームグリルはより低く幅広くなり、フォーリングスのブランドエンブレムがボ ンネットの上に移されています。フル LED のヘッドライトは、オプションで、ハイビームの照射距離を 大幅に広げられるレーザースポットのテクノロジーを選択可能で、その仕様を選ぶと、リヤだけでなく フロントにもダイナミックターンシグナルが採用されることになります。

インテリア

新型 Audi R8 は、インテリアにおいても、軽量設計のコンセプトを徹底しています。コックピットは、 シングルシーターのレースカーを思わせるラップラウンドした空間となっており、空中に浮いているか のようなインストルメントパネルの下側には、タービン型をした空調の操作類が並んでいます。低く設 置された軽量設計のバケットシートは、アルカンタラから上質なナパレザーまで、様々な素材と色の組 み合わせを選ぶことができます。荷物スペースはシートの背後に 226ℓ、ボンネットの下のラゲージコンパートメントに 112ℓ 確保しました。

新型 Audi R8 の運転席に座ると、レーシングドライバーになったような感覚を味わえます。主要な操作 はすべて、ステアリングホイールから手を離すことなく、もしくは路面から目を離さずに完了すること ができます。エンジンの始動及び停止ボタン、アウディドライブセレクトを操るためのスイッチ類など も、ステアリングホイールに装着されています。

アウディバーチャルコックピットのデジタルディスプレイも、最新鋭のレーシングカーを彷彿とさせま す。その 12.3 インチの TFT モニターには、すべての情報が、精密なアニメーションと高解像度のグラ フィックにより表示されます。ドライバーは 3 つのビューから選択することができ、Audi R8 用に特別 に設定された「パフォーマンスビュー」を選ぶと、中央に大きくタコメーターの画像が映し出され、そ の周りに、サーキット走行において役に立つ油温やタイヤ空気圧、G フォース、ラップタイムなどの情 報が、インジケーターやゲージ類により表示されるようになります。

※数値はすべて欧州モデル参考値

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