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2018/03/16Company

アウディ、2017会計年度に堅調な業績を達成して事業改革を加速

  • 特別項目計上前営業利益は51億ユーロに増加、特別項目計上前営業利益率は8.4%とわずかに上昇
  • 力強いネットキャッシュフローによる高い自己資金調達力
  • 2018年はチャレンジの年になると予想:過去最高となる20以上のニューモデル攻勢を実施し、
    アウディ初の電気自動車を発売
  • 電動化のロードマップを大幅に拡大して中国市場における販売を強化
  • Action and Transformation Planを実施:2022年までに総額100億ユーロの効率を改善
  • 将来に向けた大規模な先行投資:2022年までに開発活動と投資に400億ユーロ以上を投入

2018年3月15日、インゴルシュタット:アウディ グループは、2017年の厳しい状況下で売上高と利益を増加させました。売上高は初めて600億ユーロを超え、過去8年間で2倍以上に増加しました。特別項目計上前の営業利益は51億ユーロで、営業利益率は目標範囲内の8.4%を達成しました。財務結果に示された中国の事業を含めると、営業利益率はさらに1%ポイント上昇します。北米におけるV6 3.0 TDIディーゼル問題に関連する和解契約の対策費を見直した結果、アウディは、2017年に3億8,700万ユーロの追加の引当金を計上することを決定しました。これらの特別項目を計上した後の営業利益は47億ユーロ、営業利益率は7.8%でした。2018年には、これまで以上に多くのニューモデルを発売して、e-モビリティの時代に突入します。アウディは野心的なニューモデル戦略と、それに伴う既存モデルの段階的な縮小を予定しており、これらのモデルイニシアチブが販売台数と利益にプラスの影響を及ぼすのは2019年以降になると予測しています。そのため、2018年は、再び挑戦の年になるでしょう。アウディは今後も大規模な投資を行い、「Audi. Vorsprung. 2025」戦略に従ったビジネスモデルを構築し、収益性を改善する道を切り拓くための包括的なプログラムを実行していきます。


AUDI AG取締役会会長のルパート シュタートラーは、次のように述べています。「私たちは、2017年に高い企業家精神を示し、断固たる決意とともに、将来に向けたマスタープランを策定しました。自動車業界が直面している大きな変革の波の中で、私たちは主導的な役割を果たすつもりです。私たちは、2022年までに、開発活動と投資に400億ユーロ以上を投入することを計画しています。この目的を達成するため、私たちは“変革を目指すアクションプラン”(Action and Transformation plan)を実行に移しています」

アウディはこのプランにより、2022年までに総額100億ユーロのプラスの収益効果を達成し、将来のビジネスモデルを構築するために組織の再編を加速することを目指しています。財務/IT/インテグリティ担当取締役のアレクサンダー ザイツは、次のように述べています。「私たちは、この変革プログラムを迅速かつ体系的に実施して、より効率的な組織へと変化を遂げており、そこで解放されたリソースを、新しい収益性の高い成長のために投資しています。これにより、予算を変更することなしに、4機種の新型/派生モデルの導入を決定することが可能になりました」。アウディは、将来的な一般先行投資の増加を考慮した上で、8~10%の利益率目標の達成に向けて引き続き取り組んでいます。アウディの、変革を目指すアクションプランでは、プロセスの効率化を進めています。例えば、技術開発の面では、バーチャル技術を活用した開発を促進することで、最大30%の効率向上を目指しています。アウディは、グループ全体の集中的な改革に関して、2025年までにトレーニングを強化するための予算を3割増やし、合計で5億ユーロ以上に引き上げる計画です。   このアクションプランの技術的な象徴となっているのが、Audi Aiconです。2017年のフランクフルトモーターショーで発表されたこのスタディモデルは、未来のプレミアムモビリティと価値創造におけるアウディのビジョンを体現しています。インスピレーション溢れるこのモデルの精神を受け継ぐかたちで、アウディは長期的なモデル計画において、高いコネクティビティと長い航続距離を持った、ラグジュリーな電気自動車を開発します。

アウディは、モデルラインナップ全体を通して、電動化に対するロードマップを大幅に拡大しました。未来のe-モビリティを実現するため、アウディはポルシェ及びフォルクスワーゲンと密接に協力しています。その成果は、電気自動車に完璧に適合し、フォルクスワーゲン グループ全体に大きな相乗効果をもたらす車両アーキテクチャーとなって現れるでしょう。2025年には電動化技術を組み合わせたモデルを20以上販売し、販売台数の3割を占めると予測しています。アウディはこの年次記者会見で、スポーティな先駆的モデルとして、非常にダイナミックな4ドア グランツーリスモの電気自動車の存在を明らかにしました。生産は2020年代の前半に、ネッカーズルム近郊のベーリンガーホフ工場で開始される予定です。シュタートラーは、次のようにコメントしています。「Audi e-tron GTは、アウディが考えるスポーティネスを斬新な発想で解釈したモデルです。このモデルは、ハイパフォーマンス ブランドのAudi Sportを、未来へと導く方法を示しています」

昨年は、中国市場における販売をさらに強化するための道筋をつけました。合弁パートナーであるFAWと共同で、電気自動車やプラグインハイブリッド、スポーティなSUVモデルのラインナップを大幅に拡大し、5年以内に、完全に新しいSUVを10モデル投入、その内の7モデルは現地で生産する予定です。これは、FAW-VWで現地生産されるアウディのラインナップが、2022年までに倍増することを意味しています。新しい販売会社に加え、モビリティとデジタルサービスを提供する合弁会社を共同で設立することにより、アウディとFAWグループは、新たな成長のために中国における事業を再編しています。さらに、AUDI AGは、中国市場への関与をさらに強化するために、SAIC(上海汽車工業)との将来的な協力関係について建設的な協議を行っています。

今年は、史上最大のニューモデル攻勢を実施し、20以上のモデルを市場に投入します。アウディ ブランドは、6つの主力モデルシリーズに新車を投入して、順次生産を開始する予定です。今年の後半には、アウディ初の電気自動車、Audi e-tronが発売される予定です。このSUVは、最大150kWの急速充電が可能で、わずか30分以内に長距離走行を再開することができます。Audi e-tronは、改築されたブリュッセル工場で、完全にCO2ニュートラルに生産されます。この工場では、このモデル用のバッテリーも組み立てられます。またアウディ ハンガリアは、SUV用の電気モーターの生産を、ハンガリーのジェール工場で開始する準備を整えました。

また、Audi e-tron用に改築されたブリュッセル工場だけでなく、さらに効率を最適化するために、主要なモデルの生産ネットワークを再編成しています。Audi A1はベルギーのブリュッセルで生産されていますが、次世代モデルは、スペインのマルトレールにあるセアトの工場で生産されることになります。現在、その工場で生産されているAudi Q3は、モデルチェンジ後に、アウディ ハンガリアで組み立てられます。Audi A3 Sedanは2019年初頭から現在のジュール工場に加え、インゴルシュタット工場でも生産されます。モデルランナップとその生産ネットワークの数多くの変更について、ザイツは次のようにコメントしています。「2018年は例外的な年であり、集中的な作業が必要になります。これは、2019年以降に成果となって現れるでしょう」

2017年は、多くのモデルが、モデルライフの末期に差し掛かっていたにもかかわらず、アウディの販売台数は前年比0.6%増の187万8,105台(2016年:186万7,738台)となり、過去最高を記録しました。中国におけるアウディ ブランドの戦略的提携による一時的な影響が、上半期の業績にマイナスの効果を及ぼしたものの、SUVの世界的な需要の大幅な増加と、市場が減速傾向にある米国での継続的な成長がプラスの効果をもたらしました。不利な通貨環境にもかかわらず、アウディ グループの売上高は2017年に1.4%増加して601億2,800万ユーロ(2016年:593億1,700万ユーロ)となり、過去8年間で倍増して初めて600億ユーロを上回りました。2009年度のアウディ グループの売上高は298億4,000万ユーロでした。

2017年の特別項目計上前営業利益は、前年比4.4%増となる50億5,800万ユーロ(2016年:48億4,600万ユーロ)となりました。昨年度の特別項目計上前営業利益率は8.4%(2016年:8.2%)に増加し、戦略的目標である8~10%の範囲に収まりました。財務結果に示された中国の事業を含めると、営業利益率はさらに1%ポイント上昇します。

コスト規律を短期的に強化するために策定され、2016年に開始された“SPEED UP!”プログラムは、2017年に約10億ユーロのプラスの収益効果をもたらしました。これは、主に研究開発の効率化推進と、流通コストの削減によるものです。“SPEED UP!”プログラムはいったん昨年末に成功裏に終了し、その取り組みは現在のアクションプランに引き継がれます。

北米におけるV6 3.0 TDIディーゼル問題に関する和解契約に関して、アウディ グループは2017年に、広範囲な買戻しや技術的に複雑な改修プログラムを考慮して、貸借対照表における対策費の引当金を見直しました。これにより、3億8,700万ユーロの特別損失が発生しました。これには、技術的対策と法的リスクに対応するための支出と引当金が含まれています。前年度は、17億9,400万ユーロの特別損失が連結財務諸表に含まれていました。これは、北米におけるV6 3.0 TDIディーゼル問題に加えて、潜在的な不具合を抱えているタカタ製エアバッグの問題にも関係していました。2017年の営業利益は46億7,100万ユーロ(2016年:30億5,200万ユーロ)、営業利益率は7.8%(2016年:5.1%)でした。アウディは、47億8,300万ユーロ(2016年:30億4,700万ユーロ)の税引前利益を計上しました。利益の増加は、特別損失の減少だけでなく、改善された財務結果にも起因しています。

困難を伴った2017会計年度において、アウディの従業員はその献身的な取り組みによって、業績向上に大きく貢献しています。ドイツ工場の熟練労働者に対する利益分配ボーナスの支給額は、4,770ユーロ(2016年:平均1,850ユーロ+特別ボーナス1,300ユーロ)に増加します。アウディ子会社については、個別の賞与の手配が行われています。

アウディ グループは2017年に、自己資金による高い資金調達力を再び示しました。プロダクト イニシアチブおよび生産ネットワーク再編に関連する設備投資額は、39億ユーロ(2016年:34億ユーロ)でした。同時に、43億ユーロ(2016年:21億ユーロ)という非常に高いレベルのネットキャッシュフローを達成しました。この主要業績指標は、一時的な特別項目による影響を受けました。フォルクスワーゲン グループ サービシズ(ベルギー)の株式の一部を売却したことがプラスの効果を及ぼした一方で、事前に予想されていたディーゼル問題に関連する現金支出がマイナスの影響を与えました。これらの特別項目を計上しても、ネットキャッシュフローは前年度よりも増加しています。

2018会計年度は、当初こそ販売の減少が予想されるものの、数多くのモデルチェンジにより、昨年と同レベルの販売台数を再び達成することを計画しています。売上高はわずかに増加すると見込んでいます。アウディは、“変革を目指すアクションプラン”を実行することで、コストの上昇及び将来に向けた先行投資にもかかわらず、営業利益率を8〜10%の範囲にすることを目指しています。優先順位付けによる焦点を絞った戦略を一貫して採用していますが、売上高に対する研究開発費の比率は、戦略的目標である6.0〜6.5%の範囲を若干超えると予測しています。売上高に対する設備投資額の比率は、5.0〜5.5%の目標範囲をある程度上回ると予想しています。ネットキャッシュフローは、27億ユーロから32億ユーロの間となる見込みです。

アウディ グループの業績(抜粋)

2017年 2016年
アウディ ブランド 販売台数(台) 1,878,105 1,867,738
売上高(単位:百万ユーロ) 60,128 59,317
特別項目計上前営業利益(単位:百万ユーロ) 5,058 4,846
特別項目計上前営業利益率(単位:%) 8.4 8.2
営業利益(単位:百万ユーロ) 4,671 3,052
営業利益率(単位:%) 7.8 5.1

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