2021/05/17Technology

洗練されたテクノロジー(ドイツ本国発表資料)

  • 軽い操舵力で精密にコントロール - アウディのステアリング哲学
  • タッチスクリーンと静電容量式タッチセンサーを備えた新世代のステアリングホイール
  • 安全性と快適性を高めるステアリングアシスタンス機能
  • スポーティさと扱いやすさに焦点を当てたテクノロジーとデザイン

(ドイツ本国発表資料)

2021年5月17日、インゴルシュタット:ステアリングホイールには、車両そのものと同じくらい長い歴史があります。当然のことながら、ステアリングホイールの操作によって向きを変えるというのは、クルマの走行において大前提となっています。しかし、その背後に存在するステアリング関連技術は非常に複雑なもので、近年さらにその洗練度を高めています。アウディに在籍する開発担当者が追求するものは、ダイナミックなハンドリングと快適性の完璧な組み合わせです。ステアリングアシスタンス機能は、車線変更、障害物回避、駐車といった日常走行での行動に、さらなる安全性とサポートを提供します。その結果、現代のステアリングホイールはコミュニケーションデバイスとなり、単なる操舵用のホイールから進化を遂げた、ハイテクなコマンドセンターとなりつつあります。


アウディに採用される、典型的なステアリングフィールとは、どのようなものでしょうか?
ステアリングを握った手に感じられる慣性モーメント(手ごたえ)とフィードバックは、ステアリングフィールにとって決定的に重要です。すべてのアウディは、最小の操舵力でスムーズかつ精密に切り返しや駐車ができるように設計されています。言い換えると、少ない労力で運転できることが1つの特徴となっています。つまり、手に感じられる慣性モーメントは小さく抑えられています。しかし、速度が上がると手ごたえも大きくなっていきます。その結果、俊敏なハンドリングと最高のドライビングダイナミクスが実現し、カーブを正確に走り抜けることができるようになります。そのスポーティなキャラクターは、ステアリングホイールのニュートラル位置周辺におけるコントロール性と安定性によって強化されています。これは、速度だけでなく、横風や路面状態などに影響を受ける、高速道路での走行時に明確に体感することができることでしょう。ドライバーの修正舵の際の手の動きは大幅に少なくなります。操舵角は、センサーが常に計測しています。セルフステアリング特性は、ニュートラル位置周辺で精密に感じられますが、大きな横方向の力が加わった場合は、それに応じて引き上げられます。また、最高のステアリングフィールを実現するには、ドライバーのステアリング操作に対してクルマが瞬時に反応する必要があります。アウディにおいて、ステアリングホイールの操作がアクスルに伝達される 時間は、わずか数ミリ秒です。

ステアリングフィールに影響を与える要因とは?
ステアリングバランスは、原則として車両の走行に関連する3つの大きな物理特性に影響されます。すなわち縦方向、横方向、垂直方向の力学です。そのため、クルマの加速や減速に加え、カーブの走行時に発生する横方向の力、ホイール負荷の変動、シャシーのばね上の振動なども影響を及ぼします。アウディの技術者が掲げる主な目標とは、走行環境、バランス、グリップレベル、路面の凹凸などによってフロントアクスルにかかる力を、ドライバーに適切にフィードバックすることです。適切に調整されたステアリングは、状況に応じて直線的あるいは累進的な方法で、予測可能な反応を示します。さらに、物理的な限界に達したことも、常にドライバーに伝達します。フロントアクスルが耐えられる限界のコーナリング力がかかった場合、ステアリングトルクが明確に低下し、アンダーステアが始まります。すなわち、ステアリングフィールは安全な走行に大きな貢献を果たします。

それぞれのモデルは、どのようにして個別のステアリング特性を決めるのですか?
アウディは、手に感じられる慣性モーメントの数値範囲を厳格に定めています。各モデルでは、その範囲内でそれぞれのステアリング特性を決定しています。例えば、コンパクトカーのカテゴリーにおいて、「S」および「RS」モデルは、Audi A1やA3などと比べ、ステアリングの慣性モーメント(手ごたえ)は高めに設定されています。さらに、シリーズ内のステアリングシステムは、エンジンやシャシーのバリエーションによってファインチューンを受けます。開発者の目標は、走行安全性、快適性、スポーティさのバランスが常に取れた最高のステアリング特性を、モデルシリーズごとに達成することです。お客様は、アウディドライブセレクトを経由して、さまざまなモードを選択することで、ステアリング特性を調整することが可能です。例えば、「ダイナミック」モードにおけるステアリングの手ごたえは、「コンフォート」モードよりも大きくなります。


スチールフレームからハイテクステアリングへ - アウディにおけるステアリングホイールの進化

ステアリングホイールは、方向を変えるツールであるだけでなく、デジタルコントロールセンターであり、人と機械の間に存在する、もっとも重要なインターフェイスでもあります。アウディの最新モデルでは、コミュニケーションからインフォテインメント、コンフォート関連に至るまで、最大18の機能をマルチファンクションボタンで操作します。従って、ステアリングホイールは、真のコマンドセンターへと変化しています。すべての共通点としては、アウディらしいスポーティなデザイン、ドライバーの手に収まる優れた人間工学設計、直感的な操作による高い機能性などが挙げられます。

そもそも、なぜステアリングホイールを使用するのでしょうか?
120年以上にもわたり、ステアリングホイールは、インテリアにおける主要な装備であり続けてきました。しかし、自動車の黎明期においては、ステアリングレバーやハンドルバーが採用されていました。ドライバーは、それらを使って操舵を行っていたのです。しかし、精密さや柔軟性の点で問題を抱えていました。その後、フランス人エンジニアのアルフレッド ヴァシュロンが、「ヴォラン」と呼ばれるステアリングホイールにより、フロントホイールのステアリング精度を向上させるメカニズムを最初に発明しました。これは、丸いコントローラーを数回転させて、徐々に操舵角を変化させてゆく構造を採用していました。その登場から間もなく、ステアリングホイールは、世界における標準的な操舵装置となりました。

アウディのステアリングホイールは、時間の経過とともにどのように変化してきましたか?
アウディは、Type A、Type B といった初期の生産モデルにもステアリングホイールを採用していましたが、それは大きな輪としか言えないような外見でした。それ以来、さまざまな変化が起こりました。ステアリングホイールは着実に進化を遂げてきたのです。アウディが1980年代に導入した油圧パワーステアリングにより、ステアリングホイールは小型でより扱いやすくなりました。構造と機能もまた変化してきました。1980年代末の段階でも、複合フレームを採用したステアリングホイールは、ホーン機能しか備えていませんでした。

しかし、1991年に運転席エアバッグが標準装備されるようになります。ボリュームコントロールやスキップ機能などのスイッチ類も設置され始めました。今日、最新世代のステアリングホイールは、スチールよりも大幅に軽量で、強度、衝撃吸収性、鋳造性に関しても大きな利点を備えるダイカストフレームを採用しています。ステアリングホイールで操作可能な機能は最大で18にも及び、静電容量式タッチセンサーも備えています。これは、ステアリングアシスト機能をサポートするもので、すべてのアウディのステアリングホイールに採用されていきます。

ステアリングホイールのデザインとエルゴノミクスを決めるのは、どのような要素ですか?
デザインと感触のため、ステアリングのサイズはある程度規定されています。リムのジオメトリーは、ステアリングホイールの全体的な形状を決定します。アウディの信念とは、「リムの形状と中心は、できるだけ小さくコンパクトにする必要がある」ということです。ステアリングホイールは、必ずスポーティなデザインでなければなりません。アウディはステアリングホイールの直径基準を375mmとし、すべてのモデルシリーズに適用しています。リムプロフィールの全体的デザインは、自然に閉じた手のひらの形に対応しています。リムの太さは30~36mmに設定されていますが、これは静電容量式タッチセンサーやステアリングホイールヒーターを採用する場合の限界値に近いものです。すべてのステアリングホイールは、ダブルフォーム材のクッション構造を備え、きわめて均質な表面仕上げと、滑り止めの感触を提供します。ラジアスアームの位置は、ドライバーの着座姿勢によって規定される基本的なレイアウトに適合している必要があり、シフトパドルやピットマンアームの視界を妨げないことが前提となります。ライバル車と比較すると、アウディのステアリングホイールに採用されるラジアスアームは非常に細い設計となっており、強度と衝突時安全性を確保するために高度な技術が採用されています。ステアリングホイールに関するもう1つの信念は、「すべてのコントロールスイッチ類は、ドライビングに影響を与えることなく、左右いずれかの親指で操作可能である」ことです。

傾斜角、高さ、深さ:ステアリングホイールの位置はエルゴノミクスにどのような影響を及ぼしますか?
ステアリングホイールの傾斜角はドライバーの着座姿勢に左右され、車両コンセプトによって17〜24°の間に設定されています。アウディのSUVでは22〜24°に、コンパクトカー、セダン、Avantシリーズなどでは17〜21°の間に設定されています。ドライバーの着座位置が低く、直立に近い姿勢になるスポーティなモデルでは、ステアリングコラムの傾斜角はよりフラットになります。これは、ステアリングホイールが進行方向に対して、より直立に近いことを意味します。車両コンセプトに関係なく、すべてのディスプレイの視認性を常に確保する必要があります。アウディの全モデルにおいて、ステアリングホイールの位置は±30mmの調整が可能なため、ドライバーの体格にかかわらず適切なポジションに調整することが可能です。一般的に、ドライバーの上半身とステアリングホイールの間には25~30cmの距離が必要で、肘はわずかに曲がっているのが理想とされています。

エアバッグと多彩な機能は、ステアリングホイールのデザインを制限しますか?
デザイナーとエンジニアは、ステアリングホイールの設計において非常に緊密に協力しています。重要なパラメーターは、リムの直径、運転席エアバッグ用のスペース、スイッチの数であり、これらが一体となってラジアスアームの幅が決定されます。エアバッグが導入され始めた当初は、クッション容量が非常に大きかったため、ステアリングホイールの中心部はどうしても大きくならざるを得ませんでした。

世代を重ねて開発が進んだことにより、エアバッグはコンパクトに折りたためるようになってきました。同時に、エアバッグが正しく機能することが重要です。ティアラインの輪郭は見えないようにする必要がありますが、衝突時には、所定のブレークポイントが瞬時に開く必要があります。スイッチに関するアウディの基準とは、走行中に迅速なアクセスが本当に必要な機能だけをステアリングホイールに配置するということです。例えばエンターテインメントやバーチャルコックピット関連、ボイスコントールスイッチ、電話機能などです。アシスタンスシステム、ワイパー、方向指示器などのコントローラーは、常にピットマンアームの所定の位置に設置されます。

Q4 e-tronに搭載されている新世代のステアリングホイールは、何が特別なのですか?
Audi Q4 e-tronおよびQ4 Sportback e-tronに採用されているステアリングホイールは、デザイン、人間工学設計、機能性に関して新たな基準を打ち立てるものです。全部で18の機能を搭載し、ブラックパネルの外観を備えたタッチパネル経由で操作できるようになりました。機能エリアに装備されたバックライトが、有効になっているボタンを示します。有効になっているボタンがない場合、ハイグロスブラックのタッチパネルは、ほとんどそれと分からないほどです。ステアリング中央に配置されるアウディリングは、従来と同じフラットな二次元デザインが採用されています。もう1つの新機能は、今回初めてボトムフラットおよびトップフラット形状のステアリングホイールリムを採用したことです。この形状により、車内に未来的な雰囲気が創出され、先進性が強調され、車両への乗り降りも容易になります。乗り降りのしやすさは、ステアリング軸オフセットも影響します。Audi Q4 e-tronにおいて、ステアリングホイールはステアリングホイールハブからわずか7.5mmのみオフセットされています。ドライバーはメーターパネルをよく見渡すことができ、車両への乗り降りも行いやすく、ステアリングホイールの回転特性も最適化されます。

タッチパネルは、本当に直感的に操作できるのですか?
タッチパネルは小さな突起で縁取られており、使いやすさを高めています。タッチパネルに偶然指が触れても、すぐに反応することはありません。システムは操作を検出する機能を備えており、ドライバーが一定の力でボタンを押し下げた場合のみ触覚フィードバックが提供されます。これは、センターコンソールにあるMMIタッチに採用されているものと同じテクノロジーです。圧力ポイントを介して有効化されるパネルは、指の位置を認識します。起動時には、機械的なクリック音も発生します。つまりドライバーは、触覚によって直感的な操作ができるのです。この操作コンセプトは、スマートフォンやタブレットでお馴染みとなったテクノロジーをステアリングホイールに採用したものです。ナビゲーション画面やメディア、車両機能メニューなどのスクロールには、タッチだけでなくスワイプ操作も利用できます。


インテリジェントステアリング

インテリジェントなコントローラーとアシスタンスシステムにより、快適性と車内で使用できるインフォテインメントの幅が広がったばかりでなく、ドライビングダイナミクスとステアリングフィールも最適化されました。

ハンズオン検出機能とは?
静電容量式タッチセンサーは、ハンズオン検出機能とも呼ばれます。これは、ステアリング操作に介入するアシストドライブ機能をサポートし、車線変更、障害物回避、駐車といった車両操作における安全性を高めます。ステアリングホイールリムのフォーム材内部に設置されたセンサーパッドにより、ドライバーがステアリングホイールに手を添えているかどうかを検出します。強い力でステアリングを握る必要はありません。非常に優しくステアリングを握った場合でも検知可能で、リラックスした運転が可能です。ステアリングホイールに統合されたコントロールユニットは、ドライバーがステアリングを握っているかどうかを継続的に評価し、ドライバーが交通の流れに従って走行できる状態であるかどうかを判断します。ステアリングホイールに触れていない状態が15秒以上続くと、一連の視覚的および音響的警告が発せられます。この新世代のステアリングホイールは、ステアリングを握っている力を検知するトルクベースのセンサーと比べて高い快適性を実現します。以前は、ドライバーがクルマを制御していることをアシスタンスシステムに示すため、直進時でもステアリングホイールを左右に動かす必要がありました。

アシスタンスシステムは、どのような状況でステアリングに介入するのですか?
一部のアシスタンスシステムは、重大な状況でドライバーが適切にステアリング操作を行うのをサポートします。アクティブレーンアシストが統合されたアダプティブクルーズアシスト(ACA)は、クルマを常に車線の中央に維持します。方向指示器を出すことなく車線に車体が近づいてゆくと、緩やかながらも明確に分かるステアリング介入によって、中央部への復帰をサポートします。車線を横切って運転すると、触覚フィードバックを介してドライバーに警告が発せられます。

ACCのサブシステムでもあるトラフィックジャムアシストは、渋滞時に車両がゆっくりと走行している場合、最大65km/hの範囲でドライバーをアシストします。システムは、穏やかにステアリングに介入することでクルマを誘導し、車線、道路際の障害物、他の車両などと間隔を取って走行することをサポートします。

衝突回避アシストは、障害物を避けるために操舵を行わなければならない危険な状況でドライバーを支援します。警告を受けたドライバーが積極的に障害物を回避する場合、衝突回避アシストは各ホイールに理想的な制動を行い、ステアリングトルクを最適化します。仮にドライバーがステアリングを切りすぎている場合はトルクを低減し、操舵が足りない場合はトルクを増加します。このアシスタントは、走行レーンへの復帰時にも同様のサポートを行います。

パークアシストは、駐車操作を完全に自動で行うことができます。超音波センサーが適切な駐車スペースを検知した場合、ドライバーは、アクセル、ギアシフト、ブレーキを操作し、駐車手順を監視するだけで、パークアシストが自動的にステアリングの操作を行います。

エレクトロニックシャシープラットフォームは、ステアリングにどのような影響を与えますか?
現代の自動車には、約100のコントロールユニットが搭載され、それぞれが1つの機能のみを担っています。しかし、最新のシステムは驚異的な処理能力を実現し、レーダー、カメラ、超音波、LIDARなどの各種センサーを統合して、複数の機能を管理することができるインテリジェントな中央制御ユニットとなっています。シャシーコンポーネントとステアリングシステムの調整において、アウディはエレクトロニックシャシープラットフォーム(ECP)を採用しました。このマルチコントロールユニットは、2015年にQ7に初搭載され、現在はA4以上のミッドサイズ、フルサイズ、ラグジュアリーモデルの全てに採用されています。このシステムは、車速や上下動、ロール、ピッチに関係するあらゆる情報、センサーからの信号、オーバーステアやアンダーステアといった特定の状況下における車両の挙動に関する情報を処理します。ECPはその情報を使用して、走行状況およびタイヤと路面間の摩擦係数を示すスナップショットを継続的に生成します。エレクトロニックシャシープラットフォームは、サスペンションシステムからの数多くのデータを活用し、各コンポーネントの理想的な作動をミリ秒単位で計算します。


アウディのステアリングシステム

アウディは現在、道路上における敏捷性、快適性、安全性に貢献する、5種類のステアリングシステムを採用しています。各モデルは、アウディの基準を反映した軽い操舵力によるステアリング特性を備え、正確でスポーティな走りを実現しています。最上位のシステムは、ダイナミックオールホイールステアリングです。このシステムで、アウディは物理的な限界点を追及し、扱いやすさと非常に高い精度を組み合わせています。

先進的:電動パワーステアリング
電動パワーステアリングは今日の最先端技術であり、現代のすべてのプレミアムカーに搭載されています。このシステムは、油圧コンポーネントなしで作動するため、エネルギーを大幅に節約することができます。また、ステアリング介入を伴うすべてのアシスタンスシステムの技術的基盤にもなっています。電動パワーステアリングは、車速に対応したステアリングアシスタンスを提供し、方向安定性に貢献します。それにより、スポーティなステアリングフィールと緻密な路面フィードバックが提供されます。

幅広い適用範囲:電動プログレッシブステアリング
「プログレッシブ」とは、ステアリングホイールの位置によって操舵力が調整されることを意味しています。ステアリングのラック&ピニオンは、そのための特殊形状とギヤ設定を備えています。シャープな操舵角では、ギヤ比も小さくなり、ステアリングフィールは非常にダイレクトなものになります。切り返しや車庫入れをする場合は、ステアリングホイールのロックトゥロックが、最大でも2.5回転に設定されます。ワイディングロードでも、よりダイレクトなギヤ比により、ダイナミックな走りが実現しています。パワーステアリングのアシスト力は、速度に合わせて調整されます。低速走行時はアシスト力が高められ、ステアリングの操舵力が軽くなる一方で、速度が上がるとアシスト力は低下します。電動プログレッシブステアリングは、アウディで最も普及しているステアリングテクノロジーです。

最小の回転:ダイナミックステアリング
ダイナミックステアリングは、速度、操舵角、アウディドライブセレクト ダイナミックハンドリングシステムで選択されたモードに応じて、ステアリングレシオを最大100%変化させます。その中心的コンポーネントは、ステアリングコラムに設置されたスーパーインポジションギアです。これは従来型のステアリングコラムと同様に、ドライバーのステアリング入力を直接伝達します。さらに、フロントアクスルのステアリングギアにも直接的な機械的リンクが設けられ、ホイールに伝わる力に対しても、関連するフィードバックが行われます。電気モーターと組み合わせられたスーパーインポジションギアは、操舵角を増減し、走行状況に合わせてステアリングレシオを調整します。これにより、速度や走行状況に応じたステアリングの快適性とトラッキング挙動が向上します。低速走行時(市街地および操舵中)には、ステアリングレスポンスは非常にダイレクトな設定となります。ロックトゥロックは、わずか2回転です。パワーステアリングのアシスト力も高くなり、駐車や切り返しが容易になります。郊外の道では、ステアリングレスポンスのダイレクトなフィーリングが軽減され、電動アシストの量も速度とともに徐々に低下します。高速走行時には、ステアリングレシオとアシスト量がさらに低くなり、直進時におけるスムーズなステアリングの動きが実現します。

4輪を操舵:オールホイールステアリング
アウディは、2014年に発表されたQ7にオールホイールステアリングを搭載し、敏捷性に関して新たな基準を設定しました。オールホイールステアリングは、前後アクスルの操舵角を独立して調整することができます。システムは、フロントおよびリヤアクスルの操舵に電動パワーステアリングを使用し、電動スピンドルドライブとリヤに2本のタイロッドを備えています。操舵信号はドライブバイワイヤシステムを介して、ステアリングリンケージとリヤのアクチュエーターに電気的に送信されます。低速走行時には、後輪は前輪とは逆向きに最大5°まで回転します。これによって回転半径が約1メートル縮小され、駐車時や狭い場所での切り返しが楽になります。しかし、速度が60km/h以上になると、前輪と後輪は同じ方向に回転します。後輪を最大2°まで同一方向に操舵することで、高速道路における挙動が安定し、車線変更時の安全性も高まります。オールホイールステアリングによって、アウディのラグジュアリーSUVは、セグメントでもっとも俊敏なモデルとなっています。

最高の組み合わせ:ダイナミックオールホイールステアリング
オールホイールステアリングをさらに進化させたダイナミックオールホイールステアリングは、Audi A6、A7、A8にオプション設定されています。Audi S8には標準装備されます。これは、アウディのステアリングシステムにおける最上位のテクノロジーであり、フロントアクスルのダイナミックステアリングとリヤアクスル操舵システムを組み合わせたものです。このシステムにより、アウディは物理の法則の限界を追及しています。ダイナミックオールホイールステアリングは、特にしきい値の範囲で大きなメリットをもたらします。このシステムは、ダイレクトでスポーティなステアリングレスポンスと素晴らしい走行安定性を融合し、非常に高い精度と取り回し性を特徴としています。全体的なステアリングレシオは、9.5~17.0の範囲で変化し、低速ではダイレクトな走行フィールを、高速走行時は優れた安定性を提供します。

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