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2021/12/20Motorsport

高度な冷却システム採用:Audi RS Q e-tronダカールラリー参戦(ドイツ本国発表資料)

  • 灼熱の砂漠で人とマシンの温度を管理
  • 多様なアッセンブリーおよびコックピット用の高度な冷却システム
  • 砂漠でのレースを想定した高いコンセプト効率

(ドイツ本国発表資料)

2021年12月14日、ノイブルク アン デア ドナウ:Audi RS Q e-tronの未来的なエクステリアは、電動4輪駆動システムとエネルギーコンバーターを備えた先進的なコンセプトを完璧に反映しています。非常に複雑で、時には高い負荷がかかるシステムの温度を完璧に管理するため、アウディは入念に設計された冷却システムを採用しました。


冷却システム責任者 セバスチャン フレベルは、冷却に関する最大の課題を次のように分かりやすく説明しています。「アウディは、これまでダカールラリーに参戦したことがありません。私たちが最初に取り組んだ課題は、“どのようにして車両から熱を除去するのか”ということでした。私たちは、車両全体の空力性能を設定するため、数値流体解析(CFD)シミュレーションから始め、次に個々の冷却システムを設計しました」。アウディは、ハイブリッド駆動システムを搭載してル・マン24時間レースで3回の優勝を果たしたAudi R18 e-tron quattroや、フォーミュラEレースカーに搭載した、高度な冷却システムの開発経験があり、Audi RS Q e-tronの設計にもそのプロセスが活用されました。しかし、今回の目的は以前とは全く異なるものでした。ル・マン スポーツカーでは最高の空力効率が要求されましたが、砂漠を走るプロトタイプでは、最高の効率で熱を逃がす必要があります。そのため適切な温度を保つには、複数の冷却回路が必要になります。

高電圧バッテリー(HVB)用の低温回路
電気駆動装置の心臓部は、高電圧バッテリーシステムです。システムを適切な温度に保つため、アウディはノベック(Novec)と呼ばれる絶縁性の高機能性液体クーラントを使用しています。この低温回路は、ボンネット下にラジエーターを備えています。

モータージェネレーターユニット(MGU)用の低温回路
発電用の内燃エンジンは、高電圧バッテリー用の電力を生成するMGUと機械的に接続されています。このMGUは、生成したエネルギーを他の2つのMGUユニットに転送し、1つは後輪を駆動し、もう1つは前輪を駆動します。制動時は、エネルギーの流れが逆になり、両ユニットはエネルギーを回生してバッテリーへと戻します。これらの3基のMGUアセンブリーは、専用の低温回路を介して互いに接続されています。低温回路は、車両のフロントエンドに設置されている左側のラジエーターを使用して熱を逃がします。この低温回路の設計にあたり、エンジニアは極めて困難な課題に直面しました。

より高い温度の回路であれば、強い日差しの下でも優れた冷却効果を発揮させることが可能で、クーラントが沸騰することはありませんが、低温回路の設計は、はるかに困難です。フレベルは、次のように説明しています。「気温40℃の砂漠で、60℃のクーラントを冷却する場合、温度差が少ないため、高い冷却性能を達成することが難しいのです」

パワーステアリングとジャッキ回路
低温回路用ラジエーターの前方にある左側フロントエアダクトの中には、オイル冷却用のループも設置されています。このループ内には、オフロード走行時に高い負荷を受けるパワーステアリングの作動油が循環しています。このシステムはまた、パンクによってタイヤ交換を余儀なくされた場合に、バルブ経由で左右2本のジャッキへ油圧を供給します。

エアコンディショナーの冷却回路
右側フロントエアダクトの中には、エアコンディショナーシステムのコンデンサーも収められています。車内に設置されたファンが、キャビン内の空気を循環させます。

クーラントおよび過給気用の2基の高温回路
Audi RS Q e-tronの駆動システムには、エネルギーコンバーターも含まれています。助手席後方に横置きされる高効率な発電用TFSIエンジンは、ラジエーター付きのフルード回路を備えています。エンジンオイル回路は、熱交換器を介してこのシステムに接続されています。

排気ガスを利用するターボチャージャーには、冷却システムが必要です。圧縮された吸気はインタークーラーを経由して発電用エンジンへと送り込まれます。ラジエーターおよびインタークーラーは、リヤアクスルの上に並列に配置されています。ルーフ上のカウルは、2基のラジエーター用にエアフローを分割します。セバスチャン フレベルは、次のように語っています。「過酷な走行区間、たとえば低速で砂丘を横断するようなところでは、エアフローが不足する可能性もあります。そのため、2基のラジエーター後方にファンを設置して、必要に応じて暖気を取り除くことができるようにしています」。暖気エアは、Audi RS Q e-tronのリヤから排出されます。

もっとも過酷な負荷に対応できるように設計
Audi RS Q e-tron の冷却システムは、最高レベルの負荷を想定して設計されました。セバスチャン フレベルは、次のように説明しています。「熱管理システムは、11月にモロッコで最終調整を行いました。この長期テストでは、冷却用エアインテークを意図的にテープで塞ぎ、カルロス サインツに干上がった川床の柔らかい砂地を走行してもらいました。このような状況でも、すべてのシステムが問題なく機能しました」

パワーユニットの冷却で発生する明らかな電力損失にもかかわらず、アウディはきわめて高効率なラリープロトタイプを製作することに成功しました。モータースポーツの世界において、電気駆動システムとエネルギーコンバーターで長距離を走行するこの車両は、まさに画期的なラリーカーと言えるでしょう。約200kWの最高出力を発生する発電用TFSIエンジンは、4,500~6,000rpmの間できわめて効率的に作動します。発電のための燃料消費量は、1kWhあたり200gをはるかに下回ります。その結果、マティアス エクストローム/エミール ベリークヴィスト、ステファン ペテランセル/エドゥアール ブーランジェ、そしてカルロス サインツ/ルーカス クルス組は、良好な作動温度を維持しながら、きわめて効率的にAudi RS Q e-tronを走らせることが可能になります。

※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。


Audi RS Q e-tronは、電気モーターで駆動しますが、砂漠には充電ステーションはないため、非常に効率的な発電用TFSIエンジンを搭載しています。

ダカールラリー2022は、サウジアラビアで開催。現地時間2022年1月2日(日)にスタート、14日(金)にゴールを迎えます。

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