2022/10/14Technology

Audi Urban Purifier – 電気自動車用 微粒子フィルター(ドイツ本国発表資料)

  • 走行および充電時に、粒子状物質の排出をオフセット
  • 都市の環境浄化に貢献:街中で高い効果を発揮するフィルター
  • 持続可能性を考慮:リサイクル率の高いフィルターシステム

(ドイツ本国発表資料)

2022年10月14日、ロンドン / ネッカーズルム:アウディはサプライヤーのMANN+HUMMELと協力して、車両周囲の粒子状物質を除去する電気自動車用微粒子フィルター、Audi Urban Purifier(アウディ アーバン ピュリファイアー)を開発するパイロットプロジェクトを立ち上げました。初期の試験段階では、走行および充電時の両方で、都市の空気の質の改善に貢献しました。この革新的な技術は、ロンドンで開催されるグリーンテック フェスティバルで展示されます。


車両の駆動システムに関係なく、車両が走行することによって細かい粉塵が発生しますが、それらの85%は、ブレーキ、タイヤ、道路の摩耗などに起因するものです。肉眼ではほとんど見ることができないこれらの微小な粉塵粒子は、サイズがわずか数マイクロメートル、直径わずか10マイクロメートルであるため、呼吸とともに体内へと簡単に吸い込まれてしまいます。昨年世界保健機関(WHO)は、粒子状物質の上限を、以前よりも大幅に引き下げるべきであるとの勧告を発令しましたが、専門家は、ドイツの多くの都市で、これらの新しい数値を遵守することは不可能であると指摘しています。

走行中は受動的フィルター、充電中は能動的フィルターとして機能
アウディは持続可能性を事業活動の中心に据え、環境と社会に対する責任を果たしています。そのため、車両の生産をネットカーボンニュートラル(CO2排出量「ネット ゼロ」) なものにして、可能な限りエミッション(排出物)を削減するように努めています。今回アウディは、サプライヤーのMANN+HUMMELと協力して、車両の周囲から粒子状物質を集めるフィルターを開発しました。車両のフロントに装着されるこのフィルターは、一部の都市ですでに使用されている固定式のフィルターシステムと同様に機能します。このモバイルフィルターは、Audi e-tronなど車両自らが発生した粒子状物質だけではなく、周囲の車両が発生したものも、その場で吸収します。

パイロットプロジェクトは、すでに2020年から開始されており、4年間にわたって実施される予定です。AUDI AGアタッチメントシステム開発部門プロジェクトマネージャー ファビアン グローは次のように説明しています。「この微粒子フィルターは、すべての人々にメリットをもたらす革新的機能を追求するアウディと、専門のサプライヤーが協力して成功を収めた事例です。現在、独自・率先する目標を設定して、数多くのテストを実施しています。このようなフィルターは、将来的には法的に装着が要求されるようになると私たちは予想しています」

フィルターは、既存のラジエーターの前方に設置するため、車両にわずかな変更を加えるだけで装着することが可能で、コストを抑えることができます。フィルターエレメントは、開閉式の冷却用エアインレットを介して制御され、機械的には掃除機と同様の機能を備えています。この原理により、微粒子はフィルターに捕捉され、空気はフィルターを通過して流れることができます。

これまでの試験段階で、このフィルターは、Audi e-tronのテスト車両に装着されています。走行中は、車両の動きにより受動的なフィルターとして機能します。空気はフィルターシステムを通過して流れ、たとえ微小な粒子であっても捕捉されます。その一方で、充電中には、能動的なフィルターとして機能します。すべての電気自動車にはファンが搭載されており、ラジエーターに周囲の空気を送ることができ、システムはこのプロセスを利用して、フィルターを通過する空気を濾過します。これにより、たとえ車両が停止中であっても、微粒子を確実に除去することができます。これは粒子状物質による汚染が特に高い都市部において効果を発揮します。

耐久試験で証明された有効性
テスト車両で行われた評価では、フィルターの有効性を分析するだけでなく、このシステムが車両全般の使用にどのような影響を与えるかについても確認されました。Audi e-tronで5万kmを超える耐久テストを行った結果、このフィルターは、夏の暑い日や急速充電時を含め、電気自動車の作動に悪影響を与えないことが明らかになりました。

このシステムは非常に効果的で、使用条件によっては、シュトゥットガルトのように粒子が特に多い都市で、Audi e-tronから排出される粒子が完全に除去されました。北京など、さらに粒子の汚染度が高い都市では、一般的な利用状況において、最大3台分の細塵排出物を能動的および受動的に除去できる可能性があります。アウディはシステムをさらに効率的にするためにMANN+HUMMELと協力して、気象観測所などに設置されているセンサーと接続する作業を行っています。また、フィルターにより除去された微粒子の量を表示するシステムの開発にも取り組んでいます。これにより乗員は、フィルターで処理された粉塵量を知ることができます。

リサイクル率の高いフィルターシステム
フィルターはメンテナンスが簡単で、定期的なサービス間隔で交換するだけで済みます。フィルターシステム全体のライフサイクル分析を実施した結果、このシステムは14.9kgのCO2排出量に相当することが示されています。さらに、フィルター本体にはリサイクル素材が15%使用されており、システム全体の60%がリサイクルされます。

Audi Urban Purifier(アウディ アーバン ピュリファイア)に関する詳細情報、イラスト、展示は、10月13日~14日にロンドンで開催されるグリーンテック フェスティバルで見ることができます。


CO2排出量「ネット ゼロ」に関するアウディの解釈とは、あらゆる削減対策を採用した後で、アウディの製品や活動によって排出される、もしくはアウディのサプライチェーン・製造・リサイクルにおいて、現段階では排出が避けられないCO2は、世界各地で実行する自主的プロジェクトで相殺するというものです。車両の使用段階で排出されるCO2、すなわちお客様へ納車された時点から発生するCO2排出量は考慮されていません。


※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。

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